2010年5月31日月曜日

アオハダ(青膚)

裏山の比較的奥の方に生えている樹高4mほどの若木のアオハダです(2010.5.30 13:40撮影)。


葉は短枝の先に集まって付いています。画像では混み入って判り難いですが互生しています(2010.5.30 13:42撮影)。


葉の形状は広卵形で、縁にはやや丸みのある浅い鋸歯があります。葉柄に細かい毛が見えます(2010.5.30 13:44撮影)。


葉裏では葉脈が浮き出ているように見えます(2010.5.30 13:44撮影)。


雌雄別株で、短枝の先に雄花が束状に多数付いています。中には咲き終わったものから蕾まで混じっています(2010.5.30 13:44撮影)。


株立ちで、直径最大10cmの幹が5〜6本出ています。樹皮は灰白色で多数の丸い皮目が見えます(2010.5.30 13:46撮影)。


幹の外皮を爪で剥がすと、その名の通り、緑色の内皮が現れます(2010.5.30 13:46撮影)。

エゴノキその2

裏山ではあちこちに自生しているのですが、この時期、自宅に最も近い開墾畑周辺に生えている数本の木だけが多数の花を付けています。写真のエゴノキはその中の1本で樹高3m、幹径7cmの若木です(2010.5.30 14:19撮影)。


葉は互生し、今年伸びた枝には長楕円形あるいは長卵形の大きめの葉(長さ8〜10cm)が見られ、葉の先端は尖っています(2010.5.30 14:20撮影)。


今年伸びた枝の葉を上段に、花を付けた枝に見られる卵形で小さめの葉(長さ4〜5cm)を下段に示しています(2010.5.31 18:50撮影)。


鋸歯は浅く、数も多くはありません。はっきりした側脈は3対程度しかありません(2010.5.30 14:20撮影)。


今年伸びた枝の葉裏を接写すると、散在する白い星状毛が見られます(2010.5.31 18:08撮影)。


花を付けた枝の葉裏を接写すると、淡褐色の星状毛らしきものが見られます(2010.5.31 18:51撮影)。


花は長い花柄の先に下がっています。花冠はふつう5裂するのに、中に4裂するものがあります(2010.5.30 14:21撮影)。

2010年5月29日土曜日

オニツルウメモドキ(鬼蔓梅擬)その2

裏山でこの2、3年前まで植林ヒノキ林だったところが、今は伐採跡地になっています。こんな土地でアカメガシワに絡み付いているオニツルウメモドキです(2010.5.22 14:13撮影)。


不分裂ー互生ー鋸歯の落葉つる性木本です。茎から短枝を出して葉が展開しています。葉腋にはすでに花枝を出して蕾が付いています(2010.5.22 14:14撮影)。


葉は楕円形で先端が尾状に伸びており、葉の縁には丸みを帯びた鋸歯があります(2010.5.22 14:13撮影)。


3日後には開花しました。雌雄別株で、この花は雌花のようです。黄緑色の花弁は5個で、白い太い雌しべが1個、退化した小さな雄しべが5個見えます(2010.5.25 10:19撮影)。


葉裏の主脈を接写してみて畝状の白い隆起が認められたため、オニツルウメモドキであることが初めて判りました(2010.5.27 9:36撮影)。


裏山に自生していて、これまでツルウメモドキだと思っていたものについて調べたところ、すべてに畝状隆起が認められました。そのため、昨年12月4日にツルウメモドキ(蔓梅擬)として掲載したものはオニツルウメモドキ(鬼蔓梅擬)に訂正することにしました。

アカシデ(赤四手)

裏山の奥の方で植林ヒノキの下に生えている樹高3m程度の若木のアカシデです(2010.5.25 9:52撮影)。


不分裂ー互生ー鋸歯の落葉高木です(2010.5.25 9:53撮影)。林将之著「葉で見わける樹木」によると、アカシデ(赤四手)のシデとは花や果実がしめ縄に飾る四手のように見えるためで、アカ(赤)は若葉が赤くなるためだそうです。残念ながら、花が咲いた様子は見られず、赤い若葉は見落としてしまったようです。


葉の形状は卵形〜卵状楕円形で長さ5cm程度、先端が尾状に長く伸びています。縁には不揃いの細かい重鋸歯があり、側脈は10対前後です(2010.5.25 9:55撮影)。


葉表を拡大してみると、側脈間に長い伏毛がわずかに散在しています(2010.5.25 9:55撮影)。


幹の直径は10cm弱、樹皮は緑灰色で、不明瞭な筋があって縞状に見えます(2010.5.25 9:57撮影)。

2010年5月27日木曜日

ウリカエデ(瓜楓)

昨年秋に林縁で熊笹を刈り払っている時に見つけて保護した落葉高木ウリカエデの幼木です。樹高は1m足らずです(2010.5.25 10:03撮影)。


葉は赤い枝に対生状に付いています。多くの葉が3裂する中で、ほとんど裂けていない葉や不完全ながら5裂する葉も見えます。いずれの場合も真ん中の裂片が大きく、先が尾状に尖っています(2010.5.25 10:03撮影)。


葉の縁は不揃いな重鋸歯があります。3裂葉ですが、重鋸歯の見方によっては不完全な5裂葉にも見えます(2010.5.25 10:04撮影)。


幹径は1cm足らずですが、緑色に灰緑色の縞があります(2010.5.25 10:06撮影)。一見マクワウリの果皮に似ていることが命名の由来のようです。

2010年5月26日水曜日

ヤマボウシ(山法師)

3、4年前まで植林ヒノキが生えていた半日陰の林縁で、繁茂する熊笹をこの春刈り払った際に見つけた落葉高木のヤマボウシの若木です。樹高は約2mです(2010.5.25 10:08撮影)。


葉は対生し、葉柄は短く5mm余です。葉の主脈から葉柄さらに今年の新しい枝は赤褐色です(2010.5.25 10:08撮影)。


葉の形状は広い楕円形で、基部は円形で先は尖っています。葉の縁は波打っており、葉の側脈は4〜5対あって葉の縁に沿うようにカーブしています。(2010.5.25 10:10撮影)。


葉裏にはやや光沢があります。主脈上に黒い剛毛がまばらに見えますが、若葉だからでしょうか、ヤマボウシの特徴にもなっている脈腋の毛叢は認められません(2010.5.25 10:12撮影)。

コマユミ(小真弓)

この春、半日陰の林縁で熊笹だけを選択的に刈り払って見つけた落葉低木のコマユミです(2010.5.25 10:15撮影)。根ぎわから数本の細い幹が出て倒れるように生えており、樹高は50cmほどです。


葉も葉柄も枝も同じ緑色なので一見すると偶数羽状複葉のように見えますが、複葉ではなく単葉が対生しています(2010.5.25 10:13撮影)。林将之著「葉で見わける樹木」によると、一年目の枝が緑色なのがニシキギの特徴だそうです。


葉は倒卵形〜楕円形で、葉の縁には不揃いで浅い鋸歯があります。新葉のためか、やや波打っているように見えます(2010.5.25 10:14撮影)。


花は集散花序で、2〜3個の淡緑色の小さな花が付いています。花弁は4個、雄しべは4個、雌しべは1個です(2010.5.25 10:12撮影)。


幼木だからでしょうか、直径1cm足らずの幹も、枝分かれした枝も緑色です(2010.5.25 10:14撮影)。

カラスザンショウ(烏山椒)

陽当たりの良い伐採跡地にタラノキと隣り合わせて背丈を競っているように伸びているカラスザンショウです。樹高3〜4mありそうです(2010. 5.25 10:22撮影)。葉を千切って嗅ぐとサンショウとは異なる匂いが漂って来ます。


サンショウと同様に、葉は互生で、奇数羽状複葉です。若木ですが、複葉の長さは20〜30cm、小葉の長さは10〜15cmありそうです(2010.5.25 10:23撮影)。


光に透かして接写すると、小葉の縁に鈍い鋸歯があり、ミカン科などの葉に特徴的な油点が全体に散在している様子がよく判ります(2010.5.26 10:36撮影)。


直径約10cmの幹の樹皮は緑灰色で、先に刺のあるイボ状突起が多数付いています(2010.5.25 10:24撮影)。

イヌザンショウ(犬山椒)

陽当たりの良い伐採跡地で以前に熊笹を刈り払って見つけたイヌザンショウです。今では樹高2mにもなっています(2010. 5.25 10:01撮影)。葉を千切って嗅ぐとサンショウとは微妙に違った匂いが漂って来ます。


細枝に長さ約1cmの刺が対生のサンショウと違って互生状に付いています。葉はサンショウと同様に互生で、奇数羽状複葉です。小葉の縁にはやや細かい鈍鋸歯があります(2010.5.25 10:00撮影)。葉軸をルーペで見ると、不明瞭ながらもサンショウよりもさらに細い翼のようなものが見えます。


直径1cm足らずですが、幹の樹皮は緑灰色で縦長の皮目が縞状に見えます(2010.5.25 9:59撮影)。

2010年5月25日火曜日

サンショウ(山椒)

この春、林縁の熊笹だけを選択的に刈り払って出て来たのがこのサンショウの若木です(2010.5.25 10:16撮影)。葉を千切って匂っただけですぐ判るのがサンショウです。


山渓ハンディ図鑑4「樹に咲く花」に記されている通り、葉柄の基部の両側に長さ約1cmの刺が対生状に1個ずつ付いています(2010.5.25 10:17撮影)。


葉は互生で、奇数羽状複葉です。小葉の縁には波状の鋸歯があります(2010.5.25 10:17撮影)。


直径1cm足らずの幹の樹皮は褐灰色で、若木のため未だイボ状突起は見られません。この画像では葉軸に細い翼があるのがよく判ります(2010.5.25 10:18撮影)。

ヒメヤマツツジ(姫山躑躅)

裏山のあちこちに生えているコバノミツバツツジの花の盛りが過ぎた頃、近くで1株だけ地面を這うように生えていたツツジがやっと蕾を見せるようになりました。葉の展開前に開花するコバノミツバツツジと違って、葉はすでに展開し始めていました(2010.5.1 13:50撮影)。


その5日後には、枝先に透明感のある濃いピンク色の花を2〜3個付けて見事に満開状態になっていました(2010.5.6 8:59撮影)。


展開した葉を詳しく観察しました。その結果、ヒメヤマツツジの葉はコバノミツバツツジの葉よりも明らかに細長く、むしろヤマツツジの葉に似ていることが判りました(2010.5.24 13:26撮影)。


葉表を接写すると、やや長い金色の伏毛が主脈に沿ってやや密に全面に生えていることが見て取れます(2010.5.24 14:02撮影)。


同様に葉裏を接写してみると、長い白色の伏毛がこれも主脈に沿って全面に生えていることが判ります(2010.5.24 14:02撮影)。



このツツジは、山渓ハンディ図鑑5「樹に咲く花」には掲載されていないツツジでしたが、ネット掲示板にアップして種名を問い合わせた結果、ヤマツツジの変種ヒメヤマツツジであることが明らかになりました。