2010年4月29日木曜日

カスミザクラ(霞桜)

裏山にはヤマザクラよりも2週間以上遅れ、葉の展開前に咲き始めた桜があります。その中で最も大木でヒノキ林の林縁に自生している桜について、ネット掲示板「このきなんのき」で確認していただいたところ、カスミザクラとして問題ないだろうという結果が得られています。株立ち樹形で樹高約20m、竹箒のようにすっきりと上に伸びた高木で、植林ヒノキを背景に一際目立っています(2010.4.29 17:50撮影)。


花は白色で、直径2〜2.5cmです(2010.4.26 18:41撮影)。


萼筒はやや太い壷形のように見えますが、萼片は披針形で、約1cmの花柄にはカスミザクラの特徴でもある毛が密生しています(2010.4.26 18:43撮影)。


幹径最大15cmで、樹皮は灰褐色で横長の皮目が縞状に見えます(2010.4.26 14:09撮影)。

お断り

4月9日に掲載した「ナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)その2」は、その後20日を経過しても依然としてナガバモミジイチゴに特徴的な5裂葉が見られず、まれに見られる3裂葉も不明瞭であること、むしろ葉の表面にビロードの手触りが感じられるようになったことから、ビロードイチゴの間違いであることが明確になりました。そのため、4月9日付け「ナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)その2」を削除しました。

2010年4月27日火曜日

クサイチゴ(草苺)その2

廃田になっている棚田最上段で半日陰の林縁に繁茂しています。数日前に白い花が咲き始めました(2010.4.25 16:09撮影)。


昨年12月に撮った葉に比べると、不規則な重鋸歯が明瞭で、葉軸に軟毛と腺毛が混在している様子がよく判ります(2010.4.25 16:10撮影)。


白い花は大きく直径4cm近くありそうです(2010.4.25 16:10撮影)。これに比べるとモミジバイチゴやビロードイチゴの花は貧相に見えますね。次は、大粒の果実が楽しみです。

2010年4月26日月曜日

コシアブラ(漉し油)その2

新芽の葉が展開直前になりました(2009.12.13 13:22撮影)。葉裏に白い毛が密生しているのがよく判ります。葉が開きかけたこの時が山菜として食べ頃のようです。

ナツハゼ(夏櫨)その3

アラゲナツハゼと同様、しばらく見ないうちに葉が展開していました(2010.4.25 15:40撮影)。アラゲナツハゼの葉よりも薄く柔らかそうに見えます。黄緑色の葉の縁はやや赤みを帯びており、葉裏や葉の縁には細かい毛が密生しているようです。

アラゲナツハゼ(荒毛夏櫨)その3

しばらく見ないうちに、多数の葉が展開してしまいました(2010.1.6 15:26撮影)。中の方に花芽が隠れているかも知れません。葉裏の葉脈は太くて浮き出ており、白い太めの毛が生えているように見えます。

ビロードイチゴ(天鵞絨苺)その4

以前からウォッチし続けていた“裏山植物園”内のビロードイチゴの木です。下向きの花の前面を下から見上げて接写しました(2010.4.25 15:33撮影)。


花の萼筒は短く皿状で、萼や花柄にビロード状の毛が密生しており、葉の縁の重鋸歯がはっきり判る画像です(2010.4.25 15:34撮影)。

ザイフリボク(采振木)その2

隣接する雑木林に自生する樹高5m以上のザイフリボクの成木です。わが家の庭のジューンベリー(アメリカザイフリボク)が満開状態になっていたので、もしかしたらと思って見に来たら、見難いながらも開花が確認できました(2010.4.25 15:28撮影)。


望遠ズームで撮ってみると、未だ二つ折りのままの若葉で、葉裏に白い軟毛が密生しているのが判ります(2010.4.25 15:29撮影)。


枝先に白い花が5個以上まとまって上向きに咲いており、鐘形の萼筒や赤い花柄にも軟毛が密生しているように見えます(2010.4.25 16:42撮影)。

2010年4月21日水曜日

ビロードイチゴ(天鵞絨苺)その3

林縁に生えているビロードイチゴはすでに4月初めに開花し始めていたのですが、以前からウォッチし続けていた“裏山植物園”内のビロードイチゴの木、その木に咲いた花がやっと撮れました(2010.4.20 10:33撮影)。花の萼筒は短く、萼や花柄にビロード状の毛が密生、葉柄にも毛が生えています。


葉は展開したばかりで濃緑色、縁に粗い重鋸歯が見られ(2010.4.20 10:34撮影)、表裏のビロード触感がほとんど感じられないため、鋸歯が目立たず表裏にビロード触感があった昨年12月の葉と同じビロードイチゴのものとは思えないほどです。ビロード触感の違いについては、これからも引き続き調べてみたいと思っています。

2010年4月20日火曜日

タラノキ(楤木)その2

待ちに待ったタラノキの新芽が出て、葉が展開し始めました(2010.4.20 10:28撮影)。裏山では、昨年までの乱獲が祟ってタラの芽の減少が心配されていましたが、それでも昨夜からの暖かい雨に誘われて芽吹き始めたようで、何とか小さな笊一杯のタラの芽を収穫することが出来ました。


タラの芽は採取のタイミングが難しいですね。早過ぎると身が固く“タラの芽”本来の味がしないようだし、何ぶんにも小さくてもったいない。葉が開き過ぎると刺が伸びて触感が悪くなってしまう。写真のタラの芽(2010.4.20 10:29撮影)は固そうに見えますが、天ぷらにすると柔らかく、最高の味でしょう。撮影後、早速、切り取って持ち帰りました。

ウラジロノキ(裏白の木)

樹高6-7mの落葉高木で、裏山では未だ1本しか見つかっていない貴重な木です(2010.4.20 10:27撮影)。


出始めたばかりの新芽が長枝の先端や脇、短枝の先に付いており、枝には皮目が散点しています(2010.4.20 10:28撮影)。


葉裏に相当する新芽の表面や、若い枝に白い綿毛が密生しています(2010.4.20 10:25撮影)。


幹の直径は約10cm、その樹皮は灰黒色で、横に伸びた皮目が目立ちます(2010.4.20 10:26撮影)。

コツクバネウツギ(小衝羽根空木)その2

株立ち樹形の落葉小低木で、かつての裏山では熊笹に隠れて見えなかったはずですが、熊笹を刈り払う際に意識的に残したもの、今ではあちこちに自生しています(2010.4.20 10:23撮影)。


枝から対になって出ている短枝に対生の若葉が展開し始めています(2010.4.20 10:23撮影)。


葉は長さ2-3cm、幅1-2cmで黄緑色、縁には波打ったような不明瞭な鋸歯があり、縁辺1-2mmが赤褐色に縁取られています(2010.4.20 10:22撮影)。


幹径は1cmほどで、樹皮は灰白色〜灰褐色で不明瞭な縦縞が見えますす(2010.4.20 10:24撮影)。

コバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)その2

裏山では、ピンク色のツツジが次々咲き始めました。ほとんどのツツジが、この冬の重い雪で折れ曲がった、葉の展開前の枯れ木のような灌木に花を付けています(2010.4.20 10:16撮影)。


花は淡紅紫色で、花冠は直径5cm弱で深く5裂しており、上側の3裂片に深紅色の斑点が見えます(2010.4.20 10:21撮影)。


最も長いしべが雌しべで無毛、そのほか長さの異なる雄しべが10本あって、これらも無毛です(2010.4.20 10:17撮影)。


花柄には白い毛が密生し、花冠を破って見ると、中に白い長毛が密生しているのが判ります(2010.4.20 10:19撮影)。


幹径は1-2cmで、樹皮は灰黒色です(2010.4.20 10:22撮影)。

エゴノキ

裏山では至る所に自生している落葉小高木です。「葉で見わける樹木」(林将之著)に書かれている通り、花期以外は地味で本当に目立たない樹木です(2010.4.20 10:11撮影)。果実はエグイ味がするので「エゴノキ」と呼ばれるようになったそうです。その漢字名として本来オリーブの意味らしい「斉墩果」が充てられたり、ジャスミンの意味の「茉莉」を配した「野茉莉」が充てられたり、紛らわしいのでタイトルには漢字名を入れておりません。


短枝に束生しているように見える若葉は黄緑色できれいです(2010.4.20 10:14撮影)。


葉を接写すると、葉裏や葉柄に多数の砂粒のような褐色の星状毛や浅い鋸歯など、エゴノキの特徴が判ります(2010.4.20 10:13撮影)。


樹皮は淡灰色と暗紫褐色の細かい縦縞から成っています(2010.4.20 10:12撮影)。

2010年4月11日日曜日

ヤマザクラ(山桜)その2

裏山のあちこちに自生するヤマザクラが昨夜からの雨で一気に咲き始めました(2010.4.11 11:00撮影)。自生する本数はウワミズザクラに比べると少ないのですが、その後調べたところ新たに4本見つかり、計8本になりました。


低いところにある花を持ち帰って写真に撮りました。花の直径は約3cm、花弁は白色で、先端に切れ込みがあり、先の方の縁がややピンク色がかっています(2010.4.11 11:10撮影)。


花柄は1cm程度、萼筒は長い鐘形、萼片は全縁で無毛です(2010.4.11 11:11撮影)。

2010年4月7日水曜日

コバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)

裏山で笹薮を毎年刈り払った成果として、今年はあちこちでツツジが咲きそうです。今日午後にはピンク色の蕾が見られるようになりました(2010.4.7 16:14撮影)。コバノミツバツツジはツツジ科ツツジ属の落葉低木で、山渓ハンディ図鑑5「樹に咲く花」によると、本州(中部地方以西)、四国、九州に分布し、樹皮は灰黒色、若い枝は赤褐色で、粗い毛があるそうです。開花して葉が展開すれば種名が確定できるだろうと思っていますが、それが待ち切れず、一応、コバノミツバツツジとして掲載しました。


今年1月に撮った冬芽と果実の画像を見ると、冬芽の芽鱗に白い毛が密生しており、果実には長い剛毛が目立っています(2010.1.17 11:14撮影)。

クロモジ(黒文字)その3

先日見つからなかった雌花(雌株)をやっと見つけました。雄花(雄株)を見つけて10日目、雌株はすでに葉が展開していました(2010.4.7 16:12撮影)。


画像を拡大して見ました。花の中心で白っぽく長いのが雌しべのようで、その周りにある複数の黄色っぽく艶のあるものが蜜腺と呼ばれるものでしょう(2010.4.7 16:12撮影)。[その2]において「雌花の花びらは黄色みが強いそうですが、・・」と記していますが、むしろ逆に緑色みが強いように見えます。


比較のために雄花(雄株)を撮りました(2010.3.29 16:02撮影)。雄しべの葯はすでに黒変していたり消失していますが、どういう訳か、葉は未だに展開していません。おそらく、雄花は葉の展開のかなり前に開花し、雌花は葉の展開後に開花するように見えます。