2010年12月11日土曜日

レンゲツツジ(蓮華躑躅)その2

裏山では、レンゲツツジは未だにこの1株しか見つかっていません。陽当たりの良い里道沿いに自生していて、この時期、枝先に一際大きな冬芽が見られ、未だ枯れた果実が残っている枝も見られます(2010.12.10 14:28撮影)。


大きな頂芽が花芽で長さ約10mmの長卵形です。赤い芽鱗は白い短毛で縁取られており、10枚以上ありそうです(2010.12.10 14:30撮影)。この花芽から直径5cm以上の大きな花が2〜8個も咲くのですから、これはまるで手品のようですね。花芽の下や枝に見える長さ1〜2mmの小さな側芽は葉芽のようです。



このレンゲツツジの冬芽は、あの広沢毅・林将之著「冬芽ハンドブック」には掲載されていないようです。見間違えることのない、あまりに判りやすい冬芽ということでしょうかね。

2010年12月10日金曜日

ザイフリボク(采振木)その3

隣接する雑木林のザイフリボクです。昨年も冬芽を掲載しましたが、もう一度詳しく見てみました。横に長く伸びた灰色の枝から上向きに伸びた側枝の先に冬芽が出ています(2010.12.10 14:30撮影)。


赤褐色の側枝には白い点状の皮目が見られます。冬芽は赤茶色の水滴形で、芽鱗が少し開いて内側の白い毛がはみ出ています(2010.12.10 14:31撮影)。

ネジキ(捩木)その5

裏山であちこちに自生している落葉低木のネジキです。赤茶色の小枝に、ほぼ同色のつやのある小さな冬芽(仮頂芽と側芽)がついています(2010.12.10 14:27撮影)。


よく見ると、芽鱗は2枚で、表面には皺があり細かい毛が生えています(2010.12.10 14:27撮影)。

2010年12月2日木曜日

アオハダ(青膚)その2

裏山の比較的奥の方に生えていて、今年5月の若葉の頃に初めて載せた樹高4mほどのアオハダです。紅葉の最盛期です(2010.11.14 11:12撮影)。


やや緑がかった黄色に紅葉しています(2010.11.14 11:12撮影)。林将之著「紅葉ハンドブック」によると、アオハダの紅葉について「澄んだ淡い黄色に紅葉し、上品な美しさがある」と表現されています。

2010年12月1日水曜日

ヤエノカスミザクラ(八重の霞桜)

堤脇の林縁で、ソメイヨシノの開花から2週間以上遅れて咲く“八重の桜”です。花弁の数が14-15枚で、葉柄や花柄が有毛なので、以前から八重のカスミザクラの可能性が指摘されていたのですが、先日カスミザクラと酷似している冬芽を観察して、その思いがますます強くなりました(2010.11.24 15:44撮影)。


樹形は箒(ほうき)状で、カスミザクラによく見られます(2010.11.24 15:56撮影)。


直径約15cmの幹が2本立っていて、樹皮は灰褐色で横長のごつごつした皮目が縞状に見えます(2010.11.24 15:56撮影)。


標記の「ヤエノカスミザクラ」という園芸品種が実際にあることを最近になって知りました。ところが、本種がかつての田んぼの石垣の間に生えていることから植栽されたものとは考え難く、それなら、どこから、どのようにしてやって来たのか、その経緯が知りたくなりました。
今年4月24日に撮ったヤエノカスミザクラの花を載せておきます。ややピンクがかった本当に美しい桜です(2010.04.24 07:24撮影)。来春の開花時には改めて詳細を観察したいと思っています。

2010年11月22日月曜日

ウワミズザクラ(上溝桜)その2

裏山の至る所に生えているサクラ属の大半はこのウワミズザクラです。花や葉の画像は未掲載ですが、ウワミズザクラの花は他のサクラ属と違って総状花序を形成しているので見間違えることはありません。その一方、開花時期外でのウワミズザクラの識別はふつう難しいのですが、冬芽を見ると、サクラ属のヤマザクラやカスミザクラとの違いは一目瞭然です(2010.11.20 10:39撮影)。


さらに小枝を持ち帰って詳細観察して見ました(2010.11.20 11:30撮影)。広沢毅・林将之著「冬芽ハンドブック」の記載「卵形〜水滴形、ツヤがある。正面から見える芽鱗は3〜6枚。」にある通りで納得しました。

2010年11月20日土曜日

カスミザクラ(霞桜)その2

裏山の菜園脇でヤマザクラのそばに、今春、ヤマザクラより遅れること2週間、葉の展開前に開花したカスミザクラが自生しています。すでに落葉して、枝から出た短枝の先に冬芽が見られました(2010.11.20 11:10撮影)。幹の樹皮はヤマザクラと同様に横に伸びた皮目が特徴的です。


冬芽は、広沢毅・林将之著「冬芽ハンドブック」における記述「水滴形。正面から見える芽鱗は6枚程度、赤褐色でツヤがあり無毛。ヤマザクラと違い、芽鱗の先端は開かない。」に合致しているようです(2010.11.20 11:21撮影)。

ヤマザクラ(山桜)その3

最近発売された広沢毅・林将之著「冬芽ハンドブック」によると、冬芽の特徴から、いずれも裏山に自生するヤマザクラ、カスミザクラ、ウワミズザクラの識別が可能であることが判りました。晴天だった今日、裏山に自生するサクラ属の冬芽を観察しました。
裏山の菜園脇には、今春、赤い葉の展開と同時に開花した自生のヤマザクラが未だ部分的に紅葉を残していますが、灰褐色の細枝にはすでに冬芽が見られました(2010.11.20 11:09撮影)。


幹の樹皮は淡赤紫色で、サクラ属に特徴的な横に伸びた皮目が見られます(2010.11.20 11:09撮影)。


冬芽は、上記ハンドブックにおける記述「水滴形。正面から見える芽鱗は8枚程度で無毛。芽鱗の先は少し開く。」に合致しているようです(2010.11.20 11:23撮影)。

2010年11月17日水曜日

カキノキ(柿の木)

裏山のソヨゴなどと同様に、約6年前の皆伐後に切り株からひこばえとして萌芽再生したもので、樹高はすでに5mに達しています幹の直径は約10cmあります(2010.10.30 11:05撮影)。カキノキの紅葉を特に“柿紅葉”と呼ぶらしいのですが、確かに柿特有の美しさがありますね。


長さ5cm足らずの小さな果実が生っています。紅葉した大きな葉は濃赤色で、病気によるらしい黒点の周りに葉の緑がリング状に残っています(2010.10.30 11:04撮影)。

サルトリイバラ(猿捕茨)その2

裏山の至る所に生えているサルトリイバラですが、きれいな赤い球形の果実は見つけ出すのに苦労しました。丸い葉はすでに枯れて縮んでいますが、葉が落ちても真っ赤な果実は冬中残っていると思います(2010.11.14 11:24撮影)。

2010年11月15日月曜日

ヤマウルシ(山漆)その3

この時期には熊笹の中で紅葉が目立ち、裏山のあちこち思わぬところに生えていることが改めて判りました(2010.11.14 11:05撮影)。緑色から黄色、さらに赤色へのグラデーションがきれいです。


“ウルシ”に弱いので手にとって詳しく観察出来ないのが残念ですが、「このきなんのき掲示板」の過去ログで「ヤマウルシの葉は、葉軸のいちばん付け根につく葉(小葉:しょうよう)が円形に近くてかなり小型であることが、他種との区別点にもなります」が判断根拠の一つになりました。ヤマウルシですね。

2010年11月14日日曜日

アカシデ(赤四手)その2

裏山の奥の方でヒノキの下の半日陰に自生していて、今年5月の若葉の頃に観察した樹高約3mの若木のアカシデです。紅葉も最盛期を過ぎたように見えます(2010.11.14 11:19撮影)。


黄色〜橙色で、一部はすでに枯れかかっています(2010.11.14 11:19撮影)。


アカシデの和名の由来は新芽や若葉が赤いからというのが一般的ですが、一説には紅葉が赤いからとも言われています。この秋に初めてその存在を知ったのですが、田んぼ北側の雑木林の上の方にあって遠目にアカシデではないかと思われる紅葉を見つけました(2010.11.14 14:33撮影)。


その樹下に行って紅葉を見上げて見ました。逆光で透き通るような紅葉は本当に美しいものでした(2010.11.14 14:14撮影)。足下で落ちていた落葉から、アカシデであることを確信しました。

2010年10月23日土曜日

サワフタギ(沢蓋木)その2

裏山で、自宅から最も近いところに自生しているサワフタギです。樹高3m余りで3−4本の株立ちです(2010.10.22 14:29撮影)。昨年秋に藍色の果実を確認しています。


葉の最も幅が広い部分が中央より先にあるようですが、細かい鋸歯の葉が多いものの、粗い鋸歯の葉も見られま(2010.10.22 14:29撮影)。


やっと見つけた果実は2個だけでした。そのうち1個は萎びて濃藍色を呈し、表面に凸凹があって、脱色した萼片が不完全ながらも開いています(2010.10.22 14:30撮影)。


もう一つの果実は表面に艶があって鮮やかな藍色を呈しており、萼片は小さく閉じたように見えます(2010.10.22 14:30撮影)。

2010年10月22日金曜日

ナワシログミ(苗代茱萸)その2

裏山で昨年11月に初めて見つけた樹高約3mのナワシログミに、多数の白い花が咲いていました(2010.10.22 14:16撮影)。果実が熟す時期は、その名の通り、苗代作りの頃の5〜6月だそうです。


葉腋に1〜2個の白い花が付いています。4裂した花弁のように見えるものは、実は4個の稜のある萼だそうです(2009.10.22 14:15撮影)。気づかなかったのですが花は良い香りがするそうで、萼片や萼筒の表面に散在する褐色の斑点は鱗状毛だそうです。後日、ゆっくり観察してみたいと思っています。


花を再度観察しました。花には確かに芳香がありました。花を持ち帰って接写しました。横から見ると、萼筒は角ばっていて四角柱状、その4面の先がそれぞれ三角形の萼片になっていて、それが花弁に見えるのです。


上から見ると、四角形の花の内部がよく判ります。四角柱状の萼筒の内側、中心部に雌しべが1本、四隅それぞれに雄しべが1個ずつ付いていてます。


ナワシログミは一見すると合弁花のように見えますが、花弁のように見えるものが萼片で、それが萼筒に繋がっており、雌しべや雄しべは萼筒の内側に直接付いているので、花弁は無さそうです。花弁が無いのに、図鑑を見るとナワシログミは離弁花に分類されています。多分すべてのグミ属に共通する特徴だろうと思います。

タンナサワフタギ(耽羅沢蓋木)その4

樹高3m余の若木で、昨年秋に藍黒色の果実を確認している“正真正銘の”タンナサワフタギですが、今年は果実が全く見られませんでした(2010.10.22 14:03撮影)。


日射が直接当たる多くの葉は紫褐色に、日陰にある葉は鮮やかな赤紫色に紅葉していました(2010.10.22 14:03撮影)。

2010年10月2日土曜日

マルバハギ(丸葉萩)その2

裏山の菜園北側に生えているマルバハギです。8月上旬には咲き始めたのですが、類似のヤマハギの開花を待っていたら、いつの間にか10月になり、盛りを過ぎてしまいました。花序の柄が、ヤマハギと違って極端に短く、葉の内側に留まっているのが特徴のようです(2010.10.1 13:41撮影)。


咲き始めたばかりの頃にマルバハギの花序を撮っていました(2010.8.8 10:08撮影)。蕾を見ると、萼裂片が細長く先端が針状になっているのが判ります。

2010年10月1日金曜日

ヤマハギ(山萩)その2

舗装林道沿いの菜園入口脇に生えているヤマハギです。9月末頃から赤紫色の花がやっと咲き始めました。花序の柄が、マルバハギと違って長く葉よりも外側に伸び出ているのが特徴のようです(2010.10.1 13:40撮影)。


花の色は全体的には紅紫色でも部分によって濃淡があり、竜骨弁の先は青紫色を呈しています(2010.10.1 13:39撮影)。

2010年8月10日火曜日

クサギ(臭木)

かつてのヒノキ植林地で、風倒によってすっかり陽が当たるようになった場所に、コガクウツギやタラノキ、アカメガシワなどと共に生え始めたクサギです。樹高3〜4mで、花が咲き始めて始めてその存在に気づきました(2010.8.8 09:43撮影)。


葉は対生し、三角形で、葉柄が葉と同じぐらいの長さあります(2010.8.8 09:42撮影)。全縁ですが若木には鋸歯のある葉が多いそうです(「葉で見わける樹木」参照)。葉にはクサギ特有の匂いがあり、私は好きになれません。


主に枝先に集散花序が出ています。花冠は白色で深く5裂し、水平に開いています。その下の紅紫色の花筒は極細で長く、白〜紅紫色の5浅裂する萼の隙間から伸び出ています。雄しべは4本あって、長い花柱が花冠から伸び出ています(2010.8.8 09:41撮影)。花には芳香があるそうですが、高くて嗅げませんでした。

2010年8月2日月曜日

カンサイスノキ(関西酢の木)その2

裏山の奥で新たに見つけた樹高0.5mのカンサイスノキです。紫黒色で光沢のある完熟果実と、それより一回り小さい赤褐色で未熟の果実が仲良く一緒に下がっていました(2010.7.25 14:15撮影)。当然のことながら、葉には酸味があり、スノキと違って葉裏等に短毛が密生していました。

2010年7月29日木曜日

ダンコウバイ(壇香梅)

裏山の舗装林道側の林縁、ウリカエデ、コナラ、コシアブラなどの雑木林の中で見つけました。樹高約1.5mの若木です(2010.7.17 14:20撮影)。


葉は互生し全縁で、上部が3裂したものがふつうだそうですが、不規則な形状で、切れ込みの無い葉や、4裂さらに5裂した葉も見られます(2010.7.17 14:23撮影)。


葉の特に葉脈上に短い軟毛が見られます(2010.7.17 14:21撮影)。


葉裏は緑白色で全体に短毛が見られ、葉脈上には長毛が密生しています(2010.7.17 14:22撮影)。


幹は直径1cm足らずで、黄褐色の樹皮全体に緑灰色の細かい網目と円形の皮目が見られます(2010.7.17 14:23撮影)。